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2007年8月

Tag der offenen Tür [イベントレポート]

投稿日時:2007/08/30(木) 13:30

歩き回った週末第2日目は、官庁めぐりです。と言っても、決して堅苦しい雰囲気ではありません。Tag der offenen Türは扉が開かれる日という意味で、ドイツでは年に1回、首相官邸と各省庁が一般公開(無料)されます。今年は8月25日(土)と26日(日)でした。新学期が始まる前の最後の週末だったので、土曜日のLange Nacht der Museenに続き、夏休み最終日を楽しみたい子どもたちもたくさんいました。正直私はドイツの政治や省庁のことはほとんど分かりませんが、建物の中がどんな風になっているのか興味があったので、勉強も兼ねて行ってきました!
 
まずは官庁訪問第一弾として、土曜日に外務省(Auswärtige Amt)へ。周辺はいろいろな美術館や見所がいろいろあり、観光スポットなので、外務省の建物の前はよく通りがかっていましたが、いつも緑の制服を着た恐そうな警官がたくさん立っているので、とても遠い存在でした。この日はさすがに警官にも笑顔が見られました。まずは建物の入り口でセキュリティーチェック。パスポートコントロールはないものの、空港にあるような持ち物とボディー検査を受けました。一瞬緊張の空気が流れますが、問題なくスルー。セキュリティーを通過すると、とても開放的な空間になります。天井が高く、ガラス張りで、広々しています。テレビでよく見るシュタインマイヤー外相(強烈な雰囲気と顔で、テレビの登場率が高いので私でさえ覚えていました)は残念ながら日曜日に現れるとのことで会えませんでした。そして中庭に通じる部屋では、中国出身のデザイナーで現在ベルリンにオフィスを持っているYang Liuさんの”Ost trifft West”(英訳するとEast meets West)というおもしろい展示がありました。’Differences of German & Chinese’というテーマで、ドイツと中国の文化の違いをおもしろく描いた絵が2枚ずつ並べてあり、思わず、あ~!と納得してしまう絵がたくさんありました。その展示を通り抜け、今度は別館へ。この建物はナチス時代に建設されたらしく、階段の石も照明などの装飾品もとても豪華。そして世界の外相が訪問した際にミーティングが開かれる部屋や同時通訳が聞こえるスピーカー・ヘッドフォン付きテーブルがある部屋なども見学。机の上にわざとらしく、ティーカップやEUのマークがついたペンやメモパッドが置かれていました。お土産でほしかったですが、残念ながらもらえず。代わりにEUマークが袋についているグミをもらいました。
 
   
外務省外観とお土産のパンフレット&EUグミ
 
  
会議のイメージ(筆記用具とティーカップもセットされています)
 
そして日曜日はいよいよ首相官邸(Bundeskanzleramt)訪問。ちなみにドイツ語で首相はBundeskanzlerですが、メルケル首相は女性なので、Bundeskanzlerinと語尾が女性名詞化するそうです。ボブカットでぽっちゃりずんぐりメルケル首相は、ドイツのどこでもいるようなおばちゃんのように見えますが、実はすごいやり手らしく、彼女が就任して以来ドイツは好景気です。ホームページもメルケル首相の写真オンパレード。そんなメルケル首相に是非会いたかったのですが、残念ながらまたまたタイミング悪く、土曜日に姿を現したメルケル首相はすでに中国へ。そして今はなんと日本!そんなわけで首相不在の官邸訪問でしたが、メルケル首相の写真入りのパンフレットやら、サイン(印刷)入りのポストカードなどをお土産にゲットしました。セキュリティーチェックは意外に厳しくなく、カバンを預けて、外務省と同じようなボディーチェックを受けるだけで、せっかく準備万端に持参したパスポートも提示する必要はありませんでした。しかもほとんど並ばずにスイスイ入ることができました。いつも門の外から眺める官邸ですが、この日は内側から門の外を眺める、なんだか特別な気分。建物もとてもモダンだし、アート作品もたくさん置いてあり、お金がかかっている感じです。首相官邸の建築と芸術品というパンフレットができちゃうほど。官邸はボン美術館やベルリンの火葬場のデザインをしたAxel Schultes設計で、2001年に完成しました。以前ベルリンの火葬場(クレマトリウム)を見に行きましたが、首相官邸とどことなく似ている!火葬場と官邸が似ている、なんて縁起の悪い話ですが。。。まあ、それほど異空間をかもし出しているということです。そして官邸の入り口には黒い車と緑のバイクが止まっていました。これは、首相が乗る車と護衛のバイクだそうです。ベンツじゃなく、Audiでした!何かこだわりがあるのでしょうか?乗り込みことはできませんが、覗き込むことはできました。ちなみに外務省の前にも外相が乗る車と護衛のバイクが置いてありました。そして、赤カーペットを踏み、いよいよ官邸の中へ!光がたくさん入って明るく、広く、とてもオープンな入り口です。木が植わって、円形の緑があり、竜安寺を外国風にアレンジしたような小さな庭があります。そして座り心地良さそうなソファーなど、とにかくみんなくつろぎまくっています。そして国際会議場(テーブルにはまたまたわざとらしく水のペットボトルとティーカップが置いてあります)、マスコミ会見が行われる場所など、テレビで見るような場所ばかり。けっこう感激です。そして建物の外に出ると、大きな庭があります。いつも川の反対側から眺めていたところに着きました。川には観光フェリーが走っていて、フェリーに乗っている人たちがうらやましそうにこちらを見ていました。ちょっと優越感にひたってしまいます。庭には6月にドイツで開催された首脳会議(G8)の写真撮影で使われたイスがありました。イスの横には記念写真が貼ってあります。ちなみにこのイスはビーチで使っているイスを8つぐらい並べたようなカジュアルな感じです。自分の国の旗の下に座って記念撮影している人がたくさんいました。それにしても安倍首相、誰とも話していないのにどうして笑っているんだろう?庭ではミニコンサートが開かれていたり、ソーセージやアイスが売っている屋台、資料ブースなどがあり、とてもにぎわっていました。NYの国連で見た拳銃の先が曲げられている平和モニュメントもありました。こんなすごいところが無料で見ることができ、とっても得した気分でした。
 
 
 
 
 会議場と記者会見が行われる場所

 
官邸裏(真ん中にG8で使用されたイスが見えます)とミニコンサート
 
 笑顔な首相たち
 
  平和のモニュメントと官邸ライトアップ

 お土産の品々(首相サイン入りポストカード、パンフレット、バッグ)
 
最後に、首相官邸から歩いて15分ぐらいのところにある交通・建設・都市開発省へ。ベルリンのモダンな建物の建設にどのようにかかわっているのか見たかったのですが、なんだかよく分からないブースばかり。こうなったらお土産ゲットに走ります。Deutsche Bahn(ドイツ鉄道)のブースでは、電車の形をしたグミ、そしてEUブース?らしきところでは、EUロゴ入り斜めがけバッグ、携帯ストラップ、ピンバッジなどなど、さらに違うブースで文房具、、、いったい何しに来たのか分かりませんが、記念グッズをもらいすっかり満足です。
 
 お土産の品々2 なかなかいい記念です!
 
週末は文化に社会勉強に、ドイツに触れた2日間でした。あ~、忙しかった! 

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