2007年10月
LICHT BERLIN [ベルリンアート]
投稿日時:2007/10/08(月) 01:20
3日はドイツ統一記念日でした。1989年にベルリンの壁が崩壊し、1990年の10月3日に東西ドイツが統一されました。実際には合併ではなく、西ドイツ(ドイツ連邦共和国)が東ドイツ(ドイツ民主共和国)を吸収した形になります。ドイツ各地で様々なイベントが開催されていましたが、ブランデンブルク門では2日にわたってロックコンサートが開かれ、たくさんの人でにぎわっていました。残念ながら花火はあがらず。。。せっかくReichstagの上で寒い中スタンバイしていたのに!
イベントの様子(人・人・人!)
夜まで盛り上がっています(中央がブランデンブルク門で、その前に大きなステージがありました)
夜のReichstag
9/26のブログで紹介しましたが、先月末からアートイベントが盛りだくさんです。ベルリンでもKunstherbst(Kunstは芸術、herbstは秋)と書かれたパンフレットを見つけました。日本と同じ表現を使うようです!先週行ったTiergartenで開催されていたLICHT BERLINのレポートをしたいと思います。
LICHT BERLINは今年初開催で、9月27日~10月7日まで毎日18時~真夜中までTiergarten(緑いっぱいの大きな公園)を歩きながら、ライトアップ・アートを見ることができるイベントです。今年は国際派照明アーティストがデザインした11作品が展示されていました。日本人アーティストの作品もありました。イベントの宣伝をあまりしていなかったせいか、あまりたくさん人がいませんでした。でも人が多すぎるよりもかえってよかったと思います。
イベントのポスター(やっぱりクマ!)
日が暮れて真っ暗な道を歩いていかなくてはならないので、目が慣れるまでちょっと恐かったです。上からぶら下がっている赤いライトを道しるべに作品を探していきました。カラフルな豆電球で作られた作品が池に浮いていたり、森の中に突然大きな作品が現れたり、、、建物のライトアップはよく見ますが、このようなライトアップ・アートを見るのは初めてだったのでとてもおもしろかったです。
Color Cubes
青と赤の小さな豆電球がついた立方体が3つ、芝生の上に展示されています。暗くなると光が強くなるそうです。
Semafor
ライトが花びら(鳥の羽?)のように開いたり、閉じたりします。それによって影も変わっていきます。19世紀にこのような照明が通信手段として使われていたそうで、作品のタイトルはその照明の名前だそうです。
...Regenbogen...
虹というタイトル通り、カラフルなやわらかい光の細長い蛍光灯が並んでいます。きれいに手入れされたローズガーデンに、同間隔でライトが並んでいます。虹は平和のシンボルだそうです。
木や花もライトアップされていてきれいです
Taschen II
日本人アーティストではありませんが、どこか日本風の作品。やわらかい光が池に浮かんでいてとても美しい作品。タイトルのTaschenはカバンという意味で、この作品は紙の袋で作られています。日頃私たちが使っている物を作品として利用することによって、普通のものがおもしろく見える、というのがアーティストの狙いです。
Quantenblumenballett
写真だとあまりよく分かりませんが、小さな豆電球がたくさんついている電気のかたまりが池に浮かんでいます(タイトルも量子の花のバレー)。電球が点滅していて華やかですが、渋谷のネオンと違って(?)派手すぎないところがいいです。この作品はプラスチックボトルをつぶしたものの中に電気を入れているそうです。
Eisinsel
遠くから見ると緑の島が浮いているように見える作品です。タイトルは氷の島という意味で、ローマ時代の凍っている湖を表しています。ローマ時代の湖をモダンにアレンジして作った、過去と現代の融合作品だそうです。
Gallery without images
20枚のいろいろな形や大きさのフレームが道の両側に置いてあります。明るい時はフレームの中の絵(つまり自然)が20種類の違ったイメージとして見えますが、暗いとフレームしか見えません。光の大切さを伝えている作品です。
真っ暗なのでほとんど見えません
カメラのフラッシュで明るく照らすとフレームの中に自然(イメージ)が見えます
2 x 1000 Watt
一見シンプルな作品ですが、深い意味を持つ作品です。2つの1000ワットの強い光によって枯れてしまった芝生を照らしています。光の持つ良い側面と悪い側面について表している作品です。光は人の生活を明るく照らすと同時に、悪い影響も及ぼすということを見る人に伝えています。
Identity sphere
シャンデリアのような照明が池にも映っていてとてもきれいな作品。この球体にはDNAコードが書かれています。DNA=光、実際に目には見えないもの、という意味だそうです。光の周りにある木や池を通して、光の存在が分かるということを示しています。意味が深すぎて、理解に苦しみます...
Japanischer Wolkengarten
日本人のアーティスト栗原京子さんの作品です。和紙で作られた3つの雲が、遠くから見るとまるで本当に浮かんでいるように見えます。タイトルは日本の雲ガーデンという意味です。これらの雲は、枯山水の石庭にある石と石の間の空間を考えて配置されているそうです。
和紙が真っ白すぎないので近くで見るとより雲らしく見えます
まさにアートと自然の融合です!
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