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ブログ ベルリンアート

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芸術の秋[2007年9月]

投稿日時:2007/09/26(水) 15:30

ベルリンは秋晴れです。まだ9月なのに日本の11月のような寒さです。日に日に日が短くなり、葉っぱが赤や黄色に染まっていきます。ドングリや栗がたくさん木から降ってきます。
 
   
緑・黄・赤のグラデーションがきれいです
 
 イチョウ並木
 
  
建物に巻きついているツタも紅葉します
 
秋といえば、芸術の秋!最近見つけたベルリンのアートを紹介したいと思います。
 
先週末から突然大きな太った馬がブランデンブルク門に現れました。そして大聖堂の前にもふとっちょさんたちがいっぱい!これは11月末まで行われているコロンビア出身のアーティストBoteroのアートプロジェクトです。横・たて大きな人が多いドイツでピッタリ?!なプロジェクトだと思います。案の定、隣で見ていたぽっちゃりおばさんが、“太っているっていいわね~!”とまわりのおじちゃんおばちゃんたちと大笑い。それにしても1つ1つの作品がとても重そう。どうやって運んだんだろう?
 
   どうぞよろしく~!
 
 ムチムチです
 
 
     
 
 
  
 
 人や作品がゴロゴロしています
 

次にたまたま通りかかったDAAD Galerieでやっていた展覧会。ガラス張りのギャラリーの前に人だかり。一緒になって中の展示を見て、ビックリ!はさみやペンチやのこぎりやカンナが中心に吸い込まれていくような作品でした。
 
 
 
 
 

毎週末Museum Insel(博物館島)で行われているマーケットでは、絵や写真、おしゃれなアクセサリーなどさまざまな美術品が売られています。毎回同じお店が出ていますが、通りがかりについつい見てしまいます。
 
 ベルリンの建物が描かれた絵をたくさん売っています

観光客の多いショッピングストリートのクーダムではダリ展をやっています。まだ行っていませんが、展示場を変えてかなり長い間展覧会が開催されています。風になびいている髪の毛、そしてさびしげにどこか遠くを見ているダリの顔が印象的なポスターです。
 
  記念コインが作れる機械
 

そして再びタヘレス(Tacheles)へ。9/3のブログで紹介しましたが、あの後もやはり勇気がなく、建物の中には入れません。ホルガーがいる時に一緒に入ろうと思っていたのですが、彼も”恐くて入れない!”と言うので、チャンスを逃しました(涙)。建物の外の写真と中庭の様子を紹介します。
 
 入り口からしてこわい!
 
   ダリ風
 
 アルファベットのアートがゴロゴロころがっています
 
 ナゾのおじさんアート
 
 カフェ?!飲み物はきれいかしら...
 
 すごいところでお茶しています
 
 お昼寝中のお兄さん
   
 壁アート
 
 どんどん上から重ね書き
 
  
活動中(スプレーの種類がすごい!)


 タヘレスの近くで見つけたアート
 
 
 

ベルリンは街中落書きだらけ。電車の中にも(時には外にも落書きがあり、ひどいものは窓のところにも書かれているので光が入ってこないほどです)アパートの壁にも、、、至るところにあります。私たちのアパートの入り口のドアにも落書きがありましたが、先日ようやく上からペイントしてきれいになりました。あまりにたくさんあるので除去をしていくとかえって費用がかさみそうです(ロンドンで落書き除去隊を見ましたが、市がサポートしているのでしょうか?)。落書きは汚い上、景観を損ねますが、中には芸術的なものもあります。線路沿いや壁の高いところの落書きはどうやってやったのでしょうか?!
    
  
落書きの上からフォトコラージュ?
 
 
ベルリンならではの落書き(左はテレビタワー、右はアンペルマン)
 
 線路沿いでよく見かけます(たぶん100以上あります)
 
  
上の落書き同様、線路沿いで見かけます(いろいろなバージョンがあります)
 
 流れ星(線路沿いにあります)
 

週末だけ一般にオープンしているDeutscher Bundestagの中にある美術展ものぞいてきました。
 
 

 
一見グチャグチャに針金がからまっていますが、よく見ると左は多角形、右は人間が入っています!
 

来週以降もアートサロンやライトアッププロジェクトなどさまざまなアートイベントが続くそうなので、今から楽しみにしています。 

 

Lange Nacht der Museen[2007年8月]

投稿日時:2007/08/27(月) 22:00

ベルリンは相変わらず秋のような天気が続いています。気温も20度前後なので、どうやら東京と20度ぐらい違う日もあるようです!先週末は美術館そして官庁めぐりに大忙しな週末でした。レポートが長くなりそうなので、まずは土曜日に行ったLange Nacht der Museen(ロングナイト・オブ・ミュージアム)について書きたいと思います。

 

このイベントは10年前にベルリンで始まり、今ではハンブルクやハノーバーなどドイツ各都市で行われています。10周年である今回は、木でできた数字の10にキャンドルが灯されているポスターがあちらこちらに貼られていました。ベルリンでは今年の1月にもイベントが開催されましたが、残念ながらタイミングを逃したため、今回初めて行ってきました。たくさんの美術館をはしごするのであれば、大雪で寒さが厳しい冬より、日の長い夏の方が思いっきり楽しめると思います。今回のイベントも18時からなんと夜中の2時まで110以上の美術館や博物館がオープンしていました。いつもだったら、夜の10時に市役所見学、11時半に大聖堂にのぼって、そして真夜中の1時に展覧会を見て、、、なんて考えられませんが、子供からお年寄りまでたくさんの人でとてもにぎわっていました。イベントチケットは、電車やバスなど翌日の朝5時まで乗り放題でとてもお得な15ユーロ。いつもは一般に公開されていない市役所や、入館料が高くて入るのをためらっていた美術館がオープンしていたり、それぞれの美術館や博物館でコンサートやイベントが開催されていたりしていたため、夜中歩き回ってフラフラになりました。こんなにいろいろな美術館が一度に見られるということで私たち2人はかなり興奮気味でしたが、さすがに全ての美術館には行けないので、最初にある程度コースを決めて、約10ヶ所まわりました。


 
 イベントパンフレットとチケット

 

まず、Museum für Kommunikation(通信博物館)へ。高い天井に、まるで宮殿のようなゴージャスな造り。展示はほとんど見ずに、建築ばっかり見てしまいました。そしてMartin-Gropius-Bauへ。この美術館では、アンコールワットやエジプトの展覧会から写真やモダンアートなど取り扱っているアートの幅が広く、ベルリン国際映画祭では映画上映会場にもなっています。入り口に高い石柱が立っていて、美術館の中も宮殿のようです。モダンアートの作品でも建物にとてもマッチするので、作品と建築の両方が楽しめます。ここの美術館は展示と建築共に私たちのお気に入りです。今回は時間が限られていたので、建物だけ眺めていきました。ちなみにこの美術館の周辺は、第2次世界大戦中地下防空壕があり、ヒトラーが自殺した場所でもあるため、戦争の歴史や壁博物館や多くのメモリアルがある場所でもあります。次に、虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑と情報センターがあるDenkmal für die ermordeten Juden Europasへ。広場には2005年に完成したばかりのコンクリートでできた高さ4メートルまでの様々な高さの2711の石碑が並んでいます。広場の地下には情報センターがあり、迫害されたヨーロッパのユダヤ人についての資料が展示されています。その後は、モダンな建物で、普段は一般公開されていないLandesvertretung Rheinland-Pfalzへ。とりあえず建物だけ眺めました。

 

黄色いモダン建築のベルリンフィルを通り抜け、日本のポスターについての展覧会が開催されているKunstbibliothek(アート図書館)へ。日本人がうじゃうじゃかと思っていましたが、予想外にドイツ人がたくさん見に来ていました。昔の資生堂の広告(かなり時代を感じる!)や万博のポスター、最近のSMAPCDのポスターなどいろいろなジャンルのポスターが貼られていたし、知っているポスターもかなりあったのでとてもおもしろかったです。広告やイベント告知ポスターもアートですね。そして今度は図書館の隣にあるKunstgewerbemuseum(美術工芸博物館)でモダン家具の展示を見ました。フィンランドで見た懐かしきアールトのイスとイッタラのガラスコップがありました!すでにたくさんの美術館をまわり足がパンパンになったので、図書館の外にあるオープンカフェでディナーブレイクをしました。せっかくディナーを楽しんでいたのに、野外コンサートでなんだか耳慣れない音楽が。。。昔小さい時にピアノで3和音や4和音を弾きましたが、1つ音を間違えるとしっくりこない、そして気持ちの悪い和音になります。そのイベントではまさにそんな音がずっと流れていて、人を不快にする音はどれか?というイベントでもやっているんじゃないか、と話しながらディナーをしました。コンサートが終わった時はとてもスッキリした気分になりました!

 

 日本のポスター展のポスター(しぶい!)

 

気を取り直して、再び美術館めぐりへ。次はRathaus(市役所)に行きました。赤レンガのきれいな建物で、赤の市庁舎(Rotes Rathaus)と呼ばれています。入り口にはネオゴシックスタイルの天井に、高級そうな赤カーペットが3階ぐらいまで敷かれていました。そしてゴージャスなシャンデリアの部屋(華やかなドレスを着た貴婦人たちがダンスをしていそうなイメージ)、廊下には各国からもらったお土産がガラスケースに飾られていました。日本はお茶セット(お茶と茶せん)でした。ホルガーが“あの茶せんは100円ショップで買ったのかな”とつぶやいていました。次に市長の部屋へ。きっと前日に片付けしたのでしょう。机の上にはわざとらしく本がきれいに並べられていて、棚には大小バディーベアが5つぐらい1列に置かれていました。隣の部屋に行くとあれれ?EUの旗がかぶさっている箱やたくさん何かが詰め込んでありそうなダンボールがいっぱい。なーんだ、ここに隠したつもり?!またさらに進んでいくとベルリン観光ブースがあり、ベルリンの観光名所のポストカードやポスターを無料配布していました。無料となるとおばちゃんたちはすごい勢い。私も負けずにブースを囲んでいるおばちゃんたちの大きなお尻をかきわけて手を伸ばし、ポストカード4枚ゲット!すっかり満足です。

  豪華市役所の天井と照明

 

再び高級赤カーペットを降り、市役所から歩いて10分ぐらいのところにあるDom(大聖堂)へ。ここに来た時点ですでに11時過ぎ。疲れて眠くなってきましたが、大聖堂のらせん階段をグルグル上り、展望台へ。眠いのと、階段がハードなのとで、ゼーゼーでした。でも高い場所からベルリンの夜景を見るのは初めてだったので、感激で目が覚めました。イベントデーのせいか、いろいろな場所がカラフルにライトアップされていて本当にきれい!いつもだったらこの大聖堂に入るのにも5ユーロかかります。すでにいくつもの美術館をまわっていたので、ホルガーと“いくら儲けたかな?あとで計算しなくちゃね!”、と話しながら、階段を下りてきました。
 

 大聖堂からの眺め

 

今度は夜中の12時過ぎだというのに超満員のバスに乗って、Museum für Naturkunde(自然史博物館)へ。2年間の改装期間を経て、7月半ばにオープンしたそうです。入り口を入ると、恐竜の大きな足が見えました。上を見上げてビックリ!天井の高さまである大きな恐竜の化石が立っていました。世界最大のブラキオサウルス!名前を聞いてもピンときませんが、とにかくすごい迫力!!13メートル以上もあるそうです。しかもこの恐竜の身長に合わせて、展示ホールの天井が増築されたとか。この博物館には恐竜コレクションだけでなく、今は絶滅している動物も展示されていて、動かない動物園を見ているようでした。ライオンやヒョーやタイガーなど、目がギラギラしていてけっこう恐かった。。。その他にも、蛇の瓶詰めや鳥の標本など、動物嫌いな私にはけっこうきつい展示室でした。夜けっこう遅かったので、人はたくさんいたものの、以前上映されていた博物館の展示品が動き出す‘ナイトミュージアム’という映画の体験版みたいな気分でした。

 

 ジュラシックパークの世界です

 

’ナイトミュージアム’でドキドキした気分で、今回のイベントのラストを飾るHaus der Kulturen der Welt(世界の文化の家)へ。ピンク、青、黄色、紫、、、と次々にライトアップが変わっていきます。ものすごい大きさ、しかもおもしろい形なので、遠くからでもよく見えます。美術館の名前の通り、いろいろな国の文化の展覧会、シアター、コンサート、映画上映などがされていて、今回はニューヨークでした。写真や絵など飾られていましたが、いまいち理解できず、、、展示ホールの隣には、バーがあり、DJミュージックがガンガンでした。来月9月半ばには、ベルリンで1年ごとに開催されている”Asia-Pacific Week”で、アジア各国のシアターや音楽やレクチャーなどのイベントが催されるそうです。日本からもいろいろなアーティストが来るようです。
 

  Haus der Kulturen der Weltのライトアップ

 

真夜中でも寒すぎず気持ちがよかったので、美術館のライトアップをのんびり眺めて帰りました。あ~、忙しかった!

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