2008年11月
再利用 [建築]
投稿日時:2008/11/12(水) 17:30
ドイツで”再利用”と言えば、ゴミだけではありません!ドイツ国内を旅していると、”以前は○○だったけど、今は●●”という建物によく出会います。訪れた時に、”ここは不思議な造りの建物だなぁ...”と思った瞬間、”もしや?!”と思うわけです。特に美術館やイベント会場に多く見られ、生まれ変わった建物の歴史を知るたびに、建物の有効再利用そして新たな使い道に驚かされます。驚きの変化を遂げた(!)建物をまとめて紹介したいと思います。
・Hamburger Bahnhof (ハンブルガー・バーンホフ現代美術館)
Invalidenstraße 50-51, 10557 Berlin
ベルリン中央駅の近くにある現代美術館。名前にある通り、昔はハンブルクとベルリンを結ぶ鉄道の駅(=Bahnhof)でしたが、1884年に閉鎖。その後1906年まで交通・建築博物館として使われていましたが、第2次世界大戦中に崩壊し、1996年に現代美術館として再オープンしました。
・Berliner Kunstsalon
10/30~11/3までPrenzlauer BergのHumboldt-Umspannwerkで開催されていた、Berliner Kunstsalon。
今年は5回目の開催で、以前発電(変電)所だった場所が会場でした。
・Preview Berlin
10/30~11/2までテンペルホフ空港の飛行機格納庫(Hanger)で開催されていたPreview Berlin。4200㎡もの広い場所に世界各地からの約60のギャラリーが作品を展示していました。会場のテンペルホフ空港は、ベルリンが封鎖された東西冷戦中(1948~1949年)、アメリカ軍などが西ベルリン市民に食糧や燃料を輸送した空港で、10/30に閉鎖されました。
・Zollverein
2001年に世界遺産として登録されたエッセンのツォルフェライン炭鉱(Zollverein)。工場跡が現代アートとして生まれ変わっています。カフェ、ショップ、デザイン美術館も併設されています(オリジナルグッズがかっこいい!)。敷地内の建物は、1930年代にバウハウス様式で建てられたそうです。
・Landschaftspark Duisburg-Nord
Emscherstraße 71, 47137 Duisburg
1991年にオープンしたLandschaftspark Duisburg-Nord。かつては製鉄所でしたが、現在はコンサートや夜のライトアップなどイベント盛りだくさんのアート施設です。
・Kulturspeicher
Veitshöchheimer Straße 5, 97080 Würzburg
ヴュルツブルク中央駅から歩いて15分弱の倉庫を改築した現代アート美術館Kulturspeicher(Kultur=文化、Speicher=倉庫)。マイン川に面していて、長さ128mもある細長い建物です。中に入るなり、天井に鉄骨が見えます!所蔵作品はどれもカラフルモダンな作品ばかりでお気に入りの美術館です。
・Kolumba - Erzbischöfliches Diözesanmuseum (聖コロンバ教会博物館)
Kolumbastraße 4, 50667 Köln
第2次世界大戦で破壊されましたが、スイスの建築家Peter Zumthorが残った古い教会の部分と新しい建築を組み合わせ、博物館として再生しました(2007年オープン)。新しい部分は古い教会の部分とできるだけ近い色のレンガを合わせて造られているそうです(デンマークの職人が手がけたそうですが、色合わせがけっこう大変だったとか)。
また、建物の”再利用”ではありませんが、驚きの使い道をしていたのが、来年オープン予定の地下鉄Bundestag駅です。残念ながら行く機会を逃しましたが、なんと地下鉄構内でモーツァルトのオペラ「魔笛」が上映されていました。そして現在は11/16までWelt Maschine(世界の機械)展が開催されています。展示物には正直あまり興味がなかったのですが(水玉のかわいらしいポスターに似つかわない科学展)、地下鉄のホームで展覧会!という発想に驚き、ワクワクしながら行ってきました。券売機もエスカレーターももう既に設置されていて、あとはオープンのみでしょうか。
ドイツのビックリ・おもしろ体験はまだまだ続きそう。。。
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